歴史的假名遣ひ配列のニューフェイス現る!? 及び配列作成にまつはる雑感。

歴史的假名遣ひの配列をサイエンス的に試作されてる方がゐたので、反応したところからのツイート。

 

 

  

 

 

 

 

 アート勢()の私も蜩配列なんていってオレ様配列を勘だけで作ったクチですが、仕様や環境条件があまりにオレ様過ぎるのところがあるので、サイエンス勢の方の試みも大いに歓迎いたします。

 

  

 

 

果たして完成をみることがあるのでせうか……

 

 

 

 

久々に暫く打ってみると、以前のversionで集中練習した時の癖が中々抜けてくれないのが分かります。練習の結果、速度も上がり、引っかかりのあるところを直して、調節してゆくことで磨き上げられてゆくのではありますが、手に着いた癖は簡単に落ちてくれない。

遅めに打ってみることで、新しいものの滑らかさは実感できるのに、少し速さを出してみると直ぐに以前の癖が顔を出して、手先がばたついて躓いてしまふ。

改善点を見つけるために態々誤った癖を付け、今度はそれを取り除くために新しい癖を上書きする。ひたすらそんなことを繰り返してゐます。

 

 

勿論、改善を実感してゐるからこそ続けられるといふのはありますね。

のろのろと亀の歩みで進むのを軽く追ひ抜くサイエンス勢、といった人の登場を心待ちにしないでもない。

短歌に調整しました。

ただ、理解したつもりの手指の動きの理屈といふのも所詮は仮説に過ぎず、上手く道を整へてくれることもあれば、躓きの石となることも多く、ある程度サイエンスで詰められたとしても最終的なところは勘が頼りのアートにならざるを得ないところはあるのではないか、といふ気はする。

 

 

 

 

【蜩配列】更新v14.1.0 (およびここしばらくの経緯)

さういへあ暫くこっちを更新しとらなんだ、てことで、まとめて経緯を。

 

 

(4月30日)

先日の改変は上手く行ったので更に上段を調節。

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・「せ」と「け」の左右を交換。「せう」「せい」なんかの連続ではこちらの方がスムーズ。「け」はホームから離れてしまったけど右手なら大丈夫ぽい。

 

(3月11日)

【蜩配列】更新v14(仮)

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・「い」を薬指へ。「と」と入れ換へ。

・「こ」を右手へ。「け」と入れ換へ。

 

 

(1月23日)

【蜩配列】更新 v13.0.0 これを経た後、

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かうなった。

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 (2016年8月28日)

【蜩配列】更新v12.1.0

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・左手人差し指、「あ」をホーム段に昇格、「を/ほ」は下段に移動。いまのところ体感的にも無理が減るし、数字の上でも改善してゐる。

下人伸は、打ちやすくはあるのだけれど、手首の内振りが伴ふのでフォームが乱れがち、頻度が上がり速度が増すほど雑になり、手首の負担や左手全体のクセがついてしまふ、とまとめられさう。

このキーは、ノンシフトより寧ろ同手シフトの方が動作が安定する感じがあるのも、さういふ事情だらう。

 

 (2016年8月27日)

【蜩配列】更新v12.0.1

気になってゐた下段の調節を試みる。

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【蜩配列】更新v12.0.0

μTRONキーボードのチルトを弄ったりしてたらまた違ふ見え方がしてきて、いい手が浮かんだり。(チルト自体は結局、リストレストや椅子の高さなど移行に手間がかかりさうだったので取り敢へず元に戻した)

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・「た」をホーム段に。歴假名ではやっぱりだいぶ頻度が増える印象があり、人差し指では左右どちらに置いても煩雑さが出てしまふので、左手小指をほぼ専用キーとしてあてる。

 ・若干頻度の落ちる「と」だがこれも組合はせが多様なので専用性(?)の高い左手薬指へ。すぐ上段の「つ」同様、ウラ面に文字キーを設定しないことで軽量化を図る。

・「も」を右手人差し指上段に。これは盲点だった、といふか、「も」は左手人差し指のイメージが強すぎるといふ曖昧な理由で設定してたのだけど、反対側に移してみたらだいぶしっくりくる。

・ウラ面の軽い「を/ほ」ペアは、やっぱり人差し指が適当っぽい。

ハワ行同置は選択肢が狭まるので面倒くさい様だけれども、ツノゼミ配列の方でも出来たら同置したいくらゐ、なんかしっくりくるものがあるのだ。頭の中で現代仮名遣ひと行ったり来たりすることは矢張り回避出来なず、モード切り替への際に上手いことアンカーになってくれる感じがある。

左手人差し指を「も」から解放したら、左手全体にかなり余裕が出てきた。

 

 

 (2016年8月2日)

 【蜩配列】更新v.11.0.0

大きめの更新。

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・「を/ほ」を中段から外した

・「っ」を左中段薬指へ

・読点を右下段常用ポジションへ

 どれも写経中に気になってきたものが上手く辻褄が合った感じ。

右下段小指の「っ」が動いたことで、TRONのくびきから遂に脱したといふ印象。

左薬指の「あ」は少し重いかもしれないので、「お」との交換もあり得る。

「ふ」「る」も交換したのだった。

読点なんかも写経してるとやっぱり気になってくるものなのだと。

 

 (2016年8月3日)

なんか、やっぱり、左薬指が重くなりすぎてダメかもしれない……どんだけ弱いのワシの左薬指……

弱い、といふか、左の薬指だけ少しだけ長くて、それで手全体に歪みを来すのかもしれない。

 

 

 

歴假名関連の質問への回答(ツイートまとめ)

 

 

リプを頂いたやうであるがアルカホルでメタな言及が不可能なアタマになってるのでまた寝て起きた頃にでも改めて考へてみます

 

9月24日

@aye_aye_sir おはようございます。特に意識してはせず、半ば自動的に出てきますが、かといって自分自身のアイデンティティと深く結びついているという風にも感じないので、わざとらしさも若干感じたりもします。書き言葉ですので常に少し引いてみて調節している感じはあります。
@aye_aye_sir 「ワシ」の部分は一般的ではありませんが、これは実際に家族と話すときに使っている一人称で、自分の中ではめずらしく確固たる部分です。

鳥取に住んでいますが幼少期に転校などを経ていますので鳥取弁も綺麗には身についておらず、例えば二三日大阪に滞在したりするとすっかり鳥取弁のテンポが抜けます。

常に言語的にある種の緩やかな混乱状態にあり、少しでも確かなところを縒り合わせてなんとか体裁を保っている気がします。

歴史的仮名遣ひを愛好するのは、一見バラバラに存在するかのやうな語彙を体系づけ、関連づける視点があることが、私の場合言語感覚の仮の軸になってくれるからなのではないかと感じたりもします。

歴史的仮名遣ひから規則に従って現代仮名遣いに直せすことはできるし音声的には同じものですが、感触は結構違ふやうに感じてゐます。

標準書き言葉自体がそもそも反省的なコントロールを必要とするもので、仮名遣ひの別によらず仮構的な自己を必要とする気はします。自分の場合、現代仮名遣ひを使ふときは無反省な模倣が半自動化してしまふ度合が強くなります。そしてそれが行き過ぎると、結構、病みます。


9月24日
@aye_aye_sir 旧漢字に関してはきちんと学べていないので、基本的に現代表記を踏襲しています。使い分けは、基本は相手に合わせるのと、後は入力機器の事情が殆どです。
@aye_aye_sir パソコンなどではAtok文語モードや自作の仮名入力配列など「歴史的仮名遣の方が入力が楽」な環境を作ったりしていますが、スマホなどでは入力ソフトなどの環境が整っておらず、煩雑なので現代表記が殆どです。

@aye_aye_sir 全くの個人的な目的で手書きをすることがほぼないので、手書きの場合は提出書類など現代表記が普通です。

@aye_aye_sir こちらこそ偏見なくご質問いただいて大変有り難く感じています。こちらのアカウント @hongojinguist とリンク先ブログは歴史的仮名遣を基本に運用していますので、あまり役に立たないかもしれませんが、ご参考になれば。
posted at 12:51:56

 

親指シフト(NICOLA配列)と歴史的仮名遣との相性に関するいちユーザーの私感。(過去ツイートまとめ)


7月10日

 

 

親指シフト対応の配列定義ソフト「やまぶき」で「ゐ」「ゑ」を空いた面に入れて、歴史的假名遣ひモディファイの親指シフトNICOLA配列)をしてみたことがありますが、使ひ心地が悪くて諦めた経緯があります。
親指シフトはそもそも現代仮名遣いの文字資料の仮名頻度データを元に最適化されてゐるものなので、歴史的假名遣ひではハ行の頻度の大きな違ひなどで、親指シフト特有の快適さはかなり損なはれてしまひます。


例へば、親指シフトホームポジションの中段が最も打鍵頻度が高く、下段ではかなり打鍵頻度が低いので、現代仮名遣いでは大部分を上・中段だけで処理することができ、指の移動の負担がかなり軽減されてゐます。(個人的には喧伝される入力の「速さ」などよりも、この「手の負担の少なさ」の方こそがこの入力方式の最大の利点だと感じてゐます。)
しかし、この仮名の並びのまま歴史的假名遣ひで入力しようとすると、仮名の頻度や連接の組合はせの違ひのために、その長所を活かすことが出来ません。特にハ行假名は親指シフトNICOLA配列)では下段に集中してをり、歴史的假名遣ひでは下段での打鍵が増える上に、指遣ひの組合はせなどもややこしく滑らかさに欠け、親指シフト特有のメリットは殆ど感じられないほどに薄まってしまふ様に私には感じられました。
また、同様に親指シフト方式のTRON配列でも、歴史的假名遣ひに合はせたモディファイを試みましたが、結果は変はりませんでした。

 

さういふ経緯で、自分用には、この親指でのシフト方式を受け継ぎつつ、歴史的假名遣ひを考慮した配列(蜩配列)を半ば無理矢理自作して、それなりの解決には至ってはゐます。しかし蜩配列では、歴史的假名遣ひの特徴の他にも、自分の手や標準的でないキーボードの物理的特性、拗音省略などの実験的な試みなど、鍵盤入力に求める個人的なあれやこれやを詰め込み過ぎてゐるので、これをそのまま誰かに勧めることは到底出来さうにありません……

 

今のところは、QWERTY配列で、假名遣ひの違ひの影響も抑へられるローマ字仮名変換入力よりもコストのかからない方法は、さう簡単には見つけられないのではないか、などと考へてゐる所です。
対抗できる候補としては、Dvorak配列やそれに準じる配列でのロマかな編換入力が挙げられるでせうか。

 


尚、鍵盤文字入力の配列は多くの人が色々な解決法や独自方式を考案してゐますが、
http://www4.atwiki.jp/japanese_keybord_layout/pages/1.html
歴史的假名遣ひへの対応に関しては、まだまだ未開拓の分野で、様々な工夫の余地が残されてゐると思はれます。


現代において歴史的假名遣ひの普及・通用の向上を目指すのであれば、PCの入力も避けては通れない課題であるはずで、その点に関して、歴史的假名遣ひ使用者界隈の関心は少し薄すぎるのではないかと感じないでもありません。
鍵盤文字入力の変更や独自の工夫といふと、酷くハードルが高く感じられるかもしれませんが、いまでは、先に触れた「やまぶき」など、比較的容易に実現できるツールを無償提供してゐる方もいらしたり、ハードルはかなり低くなってゐると言へさうです。
何といってもPCのシステムやらプログラミングやらまるでド素人の私がやってゐるくらゐなので、その辺りの知識も豊富で、私より才能もセンスもある多くの方々には、お茶の子さいさいといふものではないでせうか。





 

【蜩配列】更新v10.x

7月23日

【蜩配列】更新v10.1.0


左人差し指に「い」を戻してからだいぶ練れてきたので中アップデートにしておいた。

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ところでどうでも良いが左中段ウラに「おなら」が現れた。前にも出てきた気がする。

 

左薬指「と」は指の組合はせとしては問題は無ささうだが薬指が少し重い感じがする。「あ」をよけたのもそれが大きい。
「あ」の位置はフォームが動くので悩ましいけどこれくらゐの頻度ならなんとかなるかしら?打ちやすい位置ではあるのだけど、余り頻繁に使ひたくない。

「つ」「く」はこの辺りの配置がやっぱり最強だな。「つ」の下段をやめたらだいぶ快適さが増した。無標TRONキーボードでも無い限り段またぎの頻用はやっぱり控へるのが無難ぽい。

「くわ」は字音假名遣ひでも割と出てくるんだよな。「会」「活」「光」「月」あたりの頻用漢字で使はれるので、そこまで頻度は低くない。

そして字音假名遣ひ、憶えてしまったものはもう戻したくなくなってしまふのだよな。この中毒性の強さよ……

「化」「火」「果」「華」「画」etc.、常用漢字レベルでもよく出てくる。

 

 

 

以下、変更までの経過

 【蜩配列】実験

7月16日
ちょっと思ひついたことを実験してみる。
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左上段ウラはやっぱり余り使ひたくないな、てことで

「お」を左中薬ウラへ
→「い」と「お」の同居はさすがに重いので「い」を右中オモテへ
→「し」を代はりに左へ移すと拗音省略が出来ないので代はりに「か」を移し、「し」は横に一つ移動。
→「や」「み」「の」をそれぞれ調節

配列の中心部を弄ると手と頭がすぐには追ひつかず直ぐにははっきりと感想を述べられないが、悪くない感じがする。

 

「い」を左に置いてたのは、一つには、「言ふ」とその活用が頭にあったのだけど、結局今のハ行の配置なら、その点では特に問題がないことに気付いた。

拗音省略でイ段仮名が固まる中に「い」があるのも連打が減って良ささうな気もする。

これだと「いうしん」は、TRON配列と類似することになるな。

それにしてもTRON配列、「い」を右手人差し指に持ってくると言ふのはチャレンジと言ふか正直大失敗といふ印象は拭へないのだけどまぁその話はいいか……

 


【蜩配列】更新v10.0.0
昼間の変更がかなり良ささうで、この方向で調整し、上手く纏まりさうなので、目立たせるために二桁番台への大アップデートとした。

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ポイントとしては、
・「い」を左手薬指から外したことで、薬指だけでなく左手全体のオモテもウラも自由度がかなり上がった。これを踏まへて、右で持て余してゐた中頻度キーなどを左に移動。

加へて、
・右手側では、「い」が中央に来たこと、「し」が人差し指に来たことで、この辺りの軽量化が必要になり、拗音省略のイ段假名との兼ね合はせも含めて調整。

また、
・「くわ」の右手での同手連打が厳しくなったので(「くわん」「くわう」「くわい」が集中)、「くわ」を左に移し、左では「くわつ」が厳しくなるので「つ」を右側に移動。


左手薬指がやや重いのが気になるが、「い」に貼り付かないぶん自由度は増してゐるのでそれですこし補へてゐる感じ。他のキーとの連接が非常に具合が良いのだが、余り気になる様であれば対策が必要。

(左の薬指でまだ「い」を誤打してしまふので、まだはっきりと評価出来ない。)



7月18日

【蜩配列】更新v10.0.1
前回の調整をいったん破棄し、「い」と「う」を入れ替へるパターンを実験。この方がだいぶ滑らか。

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7月19日
【蜩配列】更新v10.0.2
・「い」「う」「し」の位置が難しく色々弄ってたが、「し」を中指以外におくと拗音省略の混乱が許容範囲を超えてしまふ様でしぶしぶ人差し指に「い」を持ってきたのだが、禁じ手かと思ってたら意外に悪くなくて驚き。 

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さういへば人差し指を軽くしてたんだし、連打も許容範囲内みたい。

 


7月20日
【蜩配列】更新v10.0.3
いろいろ試してるとやっぱり「い」まで右に持ってくると右が重すぎる、しかし薬指小指は重すぎるし、中指「て」は外したくないし……とか逡巡したあげく、配列の発想当初の左中段人差し指に戻したりなんていふテスト… …

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同指連打が出たり、人差し指回りだけを見ればもっといい解はある感じなのだけど、結局バランスとしてはこれが一番マシなんぢゃないかって気がしてきて、初めの直感すげぇな、といふのか、なんといふのか。

あと「か」の右手人差し指ホームのしっくりくることが異常なほどであるので、この配列はこれをするための配列なんぢゃなからうか、なんて思ったりしてしまふ。

 

ところで図らずも原点回帰してしまった様なところもあるので思ひついた当初どんなんだったかなと見比べてみたら、左手は激変してるのに比べて右手は殆ど変はってないんだな、と気付いたり……

まぁ拗音省略といふ縛りがある中での話なので、そもそもそんなに手が無いってことでもあるのだらうけど。