Qwerty J?

 Qwerty配列って、英文入力にいろいろ工夫があるというのは、いくらかでも調べればすぐに分かるのだが、しかし、取り敢えず日本語のことを考えていないのだろうということも、すぐに分かる。
 大体、手作業に関する直観が鈍ってなければ、日本語でqwertyはおかしいというのは、別に予備知識もなく分かるもので、私なんかでも、親指シフト導入以前の数年間は、少し…というか一つだけ、対策を施してはいた。
 その対策というのは、

  • ローマ字定義で、拗音字YをすべてJで置き換える

というもので、これをするだけで、入力は(少なくとも主観的には)とても楽になる。

 これを始めた当時、アイスランド語とかゲルマン系言語についていろいろ調べていて、そこで拗音字は専らJを当てていることを知り、いろいろな単語を書き写したりしているうちに、頭の中では「拗音字=J」というのに全く違和感がなくなって、タイピングにもそれを応用したくなった。それを実践してみると、かねてからのタイピングのせわしさが大分解消されて、こりゃいいや、てことでそのまま数年間採用するに至ったのであった。
 まぁ要はたまたま発見しただけではあったのだが、それが日常の不満に上手く被さって、ということで。


 で、こういう発想がありさえすれば、別にいちいちIMEのローマ字定義を書き換えなくても、キー配置変更ソフトでJとYを入れ替えれば一発……なのだが、それはその様なソフトウェアの存在を知っている今だから言えることで、つい一年ほどまえまで、そんな便利なものがあるとはつゆ知らず、手元の環境が変わるたびに、健気にもせっせとIMEの設定を直していたのであった。
 一応図にするとこんな感じ。

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 今思えば、あのようにいちいちローマ字設定を書き換えていたのにもいろいろと良かったこともあって、そのうちの一つは、定義で必要な音節を繰り返し入力しているうちに、指が勝手に動きを習得してくれて、知らず知らずのうちにタイピングの練習が出来てしまっていた、という点。
 またもう一つは、ローマ字定義の変更という発想および作業に対して全く抵抗がなくなり、それと拗音のアルペジオ打鍵という発想、さらに親指シフトという発想が重なったところで、自作の鷲配列みたいな発想が出てきた、てことで、あれの基本的な発想自体は、親指シフトを知っていくらも経たないころから持ってはいたのであった。