タイピングのしあはせ?
ヘッドホン届いてから、ちょっと集中的に音楽を浴びすぎて、精神的にだいぶグロッキーに。
そこでとても役立ってくれたのがこちら。
- アーティスト: 18世紀オーケストラ,オランダ室内合唱団,ストゥンフィウス(アンネヘール),ジグムンドソン(クリスティン),ファン・デル・メール(ニコ),バッハ,ブリュッヘン(フランス)
- 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1993/04/25
- メディア: CD
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この曲の(そして多分この演奏の)もつそういう効果は、以前から気づいていて、このCDを買った後、数日間は毎日好んで聴いていた。
それから、もう一つ気づいたのが、こういう時、タイピングも非常に精神の健康にいいのじゃないか、ということで。
親指シフトでぽこぽこ鍵盤を叩きながら、画面に飛び出てくる文字を眺めていて、実際に物理的に発生している音と、画面の文字を目が読み取って脳内でデコードされて頭の中に鳴る音と、当然全然違っているわけだけど、両者のその、全くもって何の関係もない様子、何の因果関係も見いだすことが出来ない様子が、なんだかすごく可笑しく感じられて、とても心が緩んだのであった。イリュージョンですね…。
こういうこと感じたのは初めてのことで、多分音楽の浴びすぎで脳が参っている状態があってのこと、と自己分析。あと、ロマかな入力してるときには、なかったことだな。大学で卒論仕上げてる時なんか、似たような状況だったと思ったけど、こんな風に感じたことはなかった。
我ながら変なこと書いてると思うが、まぁ親指シフターのなかに1人ぐらいこんなヘンなこと言うやつがいたって、別に悪かないでしょ…。
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上記を書きながら、そういえば数年前に、録音物というものが、出来の良し悪しにかかわらず、とても気持ちの悪いものに感じられた経験を、思い出した。
記録メディアから再生されてスピーカーから流れてくる音というのは、その瞬間に五感だけを使って認識できる因果関係からは、とても思いもよらないようなものなのであって、肉体を持った一個の生物として感じるその異常さが、やけにリアルに迫ってきた、というような経験だった。
何年前の事だったか思い出せないけれど、そういえばそれ以来、再生物のリアリティというものを、心の底では信用しないで過ごしてきて来たのだ、ということも、今改めて気づいたのであった。
頭の中にしか存在しないものを、実在するかのように錯覚する倒錯。
その倒錯に気づき、亡霊から逃げ仰せたときの開放感。
養老さんとか原始仏教の言いたいことって、もしかしてこういうことなんじゃないのかな…と実感した気がしました。とかいう雑感。